先日私が、地元のFM局から受けた、携帯電話のセキュリティに関するインタビューをBFMのポッドキャスト(英語)で聞くことができます。

インタビューの内容は、携帯電話ウイルスの歴史や現状のほか、私がクアラルンプールのセントラル駅でBluetoothをオンにしていたところ感染した話などです。現在当社に報告されている感染のほとんどはBluetooth経由であるため、まずはBluetoothをオフにしておくか、不可視モードにしておくことにより感染を防ぐことができます。Bluetooth経由で携帯電話ウィルスに感染するのは通常鉄道の駅や空港ですが、スタジアムなどでも起こります。

現在の携帯電話ウィルスはSMSやMMS経由、また(USBのような)メモリーカードを経由して広がります。感染した携帯電話が物理的に近い場所になくても感染し得ます。感染経路はより複雑で、阻止がさらに困難なものとなっています。

接続性にも機能性にも優れ、標的数が十分にあって狙いたくなるものなので、携帯電話のマルウェアの急増が起こる可能性は非常に高いです。重さ100 gで機能満載のデバイスの安全性を確保することは今後関心を集める課題でもあります。企業はこうしたデバイスの標準化や管理、追跡を推進するでしょう。パソコンと違って携帯電話はまだ自動的にアップデートできません。

消費者はモバイルの利便性の先にある脅威に気づいておらず、パソコンと比較して脅威は小さいのでセキュリティソフトは不要と考えていますが、携帯電話に保存したデータの保護やその用途に一層の注意が向けられるべきです。携帯電話のOSに脆弱性があって感染を阻止できないとしたら、あなたはどうしますか?

日本は任天堂やプレイステーションの発祥地なのでゲームは常に高い人気があります。バーチャル商品のゲーム内購入ができるモバイルゲームを提供するソーシャルネットワーキングサイトである GREE の出現によって、サイバー犯罪者は携帯電話を標的にすることに強力な財務的動機を得ています。mixi も同じような方向に進むことを表明しているようです。

とりわけ日本は3Gサービスの加入者が1億人に迫っており、携帯電話でオンラインに接続する人口が増え続けることになります。事態は今後ますます興味深いものになっていくでしょう。



参考:2009年4月15日に私が参加したMobile Security Conference 2009での発表資料から、携帯電話のマルウェアに関するグラフを掲載します。

携帯電話のマルウェアの増加率(Data Source: F-Secure)
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スマートフォンのOSプラットフォームシェア-2007(Data Source: Gartner)
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スマートフォンのOSプラットフォームシェア-2008(Data Source: Gartner)
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OSプラットフォームの感染状況(Data Source: F-Secure)
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