先週発生した 米国および韓国WebサイトへのLyzapo DDoS 攻撃 について、当初は北朝鮮が攻撃発信源という報道が飛び交ったりしました。しかしよく見ると、テクノロジー系メディアが比較的に慎重な報道だったのに対し、新聞を母体とする旧来からのメディアはすぐに北朝鮮の名前を出すなど、あまりにもステレオタイプな報道なのが見えて来ます。アメリカでも旧来メディアで扱いかたは同様だったようです。

  冷静に見ると、政治的意図を理由としたサイバー攻撃は、イスラエルとアラブ諸国間やインドとパキスタン間、ロシアと旧ロシア領国間などで、以前から多く発生しています。しかし、だからといって、これらのサイバー攻撃の裏側をすぐに国家や政治的対立に結びつけるのは、単純化し過ぎと云えるのではないでしょうか。

例えば、2007年のエストニアに対するサイバー攻撃の事件では、やはり当初ロシアからの攻撃だという説が喧伝されましたが、逮捕されたのはエストニアにいる大学生でした。そして、先週の韓国とアメリカに対するサイバー攻撃も、DDoSを実行していたマルウェアはイギリスにあるサーバーからコントロールされていたという話題が出て来ています。

よく考えれば、ボットネットをコントロールしている犯罪者はボットネットを時間貸ししていたりするわけで、それならば資金さえあれば誰でも有名な国に対してサイバー攻撃を仕掛けることができるはずです。さらに、サイバー攻撃を政治的対立に結びつけるのは解り易すぎる分、じつは他の意図によるメディアの情報操作だったりする可能性も疑わしいかもしれません。