エストニアのウイルス・ライターが、エストニアのハリュで実刑判決を受けた。

  Allapleウイルス・ファミリの作者、44歳のArtur Boiko氏は無罪を主張した。

  とは言え、彼は有罪であるとされ、2年7カ月の懲役を言い渡された。

  Allapleは多型性暗号化を使用した複雑なワームだ。ローカルHTMLファイルを修正することでネットワーク上に広がる。このようなHTMLファイルがパブリックWebサイトにアップロードされると、感染がさらに広がることになる。

  どうやらBoiko氏は、自動車事故に遭い、If Insuranceと保険査定に関して議論となったらしい。その結果、彼のワームが以下のサイトにDDoS攻撃を開始した:

    www.if.ee             (同保険会社のWebサイト)
    www.online.if.ee    (同保険会社のカスタマ・オンライン・インタフェース)
    www.starman.ee    (地元ISPのWebサイト)

  このDDoS攻撃はかなり深刻なものだった。この件については、2007年のISC Diaryの記事をご覧頂きたい。

  我々は2006年から2007年にかけて、Allapleのいくつかの亜種を検出した。問題は、これがボットネットではないということだ。これらのワームには、コマンドおよびコントロール・チャネルが無い。感染したマシンは、クリーンにされるまで標的を攻撃する。世界には現在も、感染したアクティブなコンピュータが何千もあり、攻撃を続けている。そして同ワームはさらに広がり続けている。

Snapshot from F-Secure interface showing new samples on 11th of March 2010
新たなサンプルを示すエフセキュア・インタフェースからの2010年3月11日のスナップショット

  Boikoは実刑判決を受けたが、裁判までには19ヶ月かかった。彼は損害を補填するため、以下の金額の支払いを行う判決も受けている:

If Insuranceに対して:510万エストニア・クローン(約33万ユーロもしくは45万米ドル)
Starman ISPに対して:140万エストニア・クローン(約9万1000ユーロもしくは13万米ドル)

  詳細(エストニア語)はERR Uudisedにある。