あなたはヴァーチャルなものの金銭的価値について、どのように考えているだろうか? オンライン・ゲーム・アカウントは、いくらの価値があるのか?

  Hannu Aholaにとっては4000ユーロだった。

  エフセキュアの「Safe and Savvy」ブログ寄稿者であるMarjaが、「Helsinki Sanomat」(フィンランド語)で昨年11月、Hannuに関する記事を読んだ。

Hannu Ahola, http://safeandsavvy.f-secure.com/2010/04/16/dont-do-it-not-even-in-a-virtual-world/picb-2/

  Marjaは彼のケースに興味を持ち、最近、フィンランドのHannuが暮らしている地域に行った際に訪問して、詳しい情報を聞いてきた。

  この話は4年前、Hannuが知人から「World of Warcraft」のアカウントを購入した時に始まる。彼はその後、このゲームに自分の時間と労力をかけ、強力なキャラクターを生み出した。彼にとって残念なことに、彼の成功は気づかれずには済まなかった。彼にアカウントをゆずった知人は、WoWアカウントを取り戻したいと考え、ログインしてHannuのキャラクターをハイジャックした。

  さて、ヴァーチャルな世界で誰かに何かを奪われたら、皆さんはどうするだろうか?

  このようなケースを刑事事件にすることは非常に難しい。しかしHannuはあきらめることなく、何らかの罰を与えたいと考えた。彼はTurre Legalに助けを求め、リサーチャーのVili Lehdonvirtaの援助を得て、WoWのアカウントは4000ユーロの価値があるという判決を勝ち取った。

  我々のラボは、WoWフィッシング・サイトやPassword Trojanを良く見かけるが、アカウント・ホルダが相手方を知っている事は滅多に無いので、これは非常に興味深いケースと言える。

  伝えられるところによれば、「World of Warcraft」は現在、1150万人のメンバーを擁している。1つのアカウントが4000ユーロとすれば、かなりの現金価値を持ち始めていることになる。オンライン・ゲームが、オンライン犯罪者たちの格好の標的となっているのも不思議はない。

  Marjaの記事については「Safe and Savvy」ブログを参照して欲しい。