Facebookが先頃、コメントシステムの大規模なオーバーホールを行った。Facebookユーザは新たに、自分のプロフィールを使用しているサードパーティのWebサイトでコメントできるよう変更された。この新システムのサポーターたちは、インターネット・トロール(荒らし)やコメントスパムと戦う際の助けとなることを期待している。Facebookアカウントは基本的に、本名を使用しているからだ。同システムを批判する人達は、言論の自由に対する脅威だと主張する。

  多くの批判者が、マーク・ザッカーバーグによる「The Facebook Effect」から、以下の引用をあげている:「あなたには一つのアイデンティティがある。あなたの仕事仲間や同僚、あなたが知るその他の人々に対して、あなたが異なるイメージを持つ日々は、おそらくかなり速く終わるだろう。あなた自身にとって、二つのアイデンティティを持つ事は、整合性の欠如の例と言える。」

  ソーシャルメディアの活動家たちの反応は、ポジティブなものではない。だが、本当に、何故? たった一つのアイデンティティを持つということは、本当にそれほど奇妙なコンセプトなのだろうか?

  バットマンでもない限り、本当に複数のアイデンティティを必要とする人がいるのだろうか?

  私は一つのアイデンティティしか持っていない。Twitter上では、「@FSLabsAdvisor」という別名も持っており、皆さんはおそらく、その名からこれが仕事関連のアカウントであり、エフセキュアの公式スポークスマンとしての仕事上のペルソナを反映していることが分かるだろう。この別名は、私のアイデンティティに直結しているが、私のパーソナリティの特定の側面を表しているだけだ。

  私はインターネット上で、複数の別名を持っている。そのうちの2、3は匿名だが、私が必要とするのは一つのアイデンティティのみだ。

  インターネット上でアイデンティティやプライバシー、そして整合性を保つのは簡単な事ではない。共和党所属の政治家サラ・ペイリンを例にとってみよう。およそ3週間前、WonketteのJack Stuefが、ペイリンは「Lou Sarah」という名を使って、個人のFacebookアカウントを持っているという記事を書いた。(ペイリンのミドルネームはLouiseだ。)この件に関するStuefの見解は、ペイリンが「サラ・ペイリン」名義のアカウントを称賛するために、「秘密の」アカウントを開設した、というものだった。そして彼は、ペイリンの「Lou Sarah」アカウントが、素晴らしい整合性の兆候であるとは見なしていないようだ。

  なかなか良い指摘だが、Stuefは完全に正しくとらえたわけでもない。「サラ・ペイリン」アカウントは「プロフィール」ではない。これは、プロフィールとして機能する、セレブリティ用の特殊なタイプのハイブリッド「ページ」なのである。しかし、これは本当に単なるページであり、サラ・ペイリンのパーソナルブランドの一部だ。このページが、彼女の広報活動チームによって完全に管理されている、という可能性も高い。

  自分のプライバシーを管理したいと考える多くの人々は、匿名のFacebookアカウントを作成する。多くの人が明らかに別名を望んでいる。Facebook創設者のザッカーバーグに向けられた多くの反発は、個人ごとに複数のアカウントを持つことが、Facebookの利用規約違反であり、ザックがそうした人達が犯罪者のように聞こえかねないことを言っている事実に起因しているのではないかと思う。

  これらの反発の一部は、当然だと私は思う。

  Facebookの企業方針は、あなたが実際に知っている人とのみ友達になるべきだ、というものだ。ところがFacebookはZyngaのようなソーシャルゲーム企業との提携により、大金を稼いでいる。ソーシャルゲームはカジュアルなゲーム形式であり、カジュアルゲームはカジュアルな友人関係を築くことを促進する。Facebookの利益は、ある程度、カジュアルな友人関係の形成により後押しされているのだ。

  二つを同時に得ることはできない。

  私は人々が、「バーチャル」な友人とFacebookゲームを楽しむために、第二のアカウントを作成した例を数多く見てきた。カジュアルな友人関係からFacebookが利益を得る限り、彼らは自分たちのユーザのプライバシーをより強固に保護する方法を見つける必要がある。Facebookはステップアップし、ユーザにある種の別名を提供するか、彼らの利用規約を調整する必要があるだろう。

  すぐに実現するとは思っていない。

  しかし、Facebookの新しいコメントシステムはどうだろう?

  これは匿名性と言論の自由の終焉なのだろうか?

  おそらく違う。すでに匿名でコメントするのに使用されている「バックドア」メソッドが存在する。

  ページだ。

  TechCrunchが、最初の記事でその糸口を示唆している:「ちなみに、Facebookページとして、外部サイトにコメントを残すことも可能。つまり、ブランドがFacebookを利用して、ブログ記事に『オフィシャル』コメントを残すことが可能になったということだ。」

  そこで、以下があなたにできること、すなわち、フィクションのキャラクターを作成するための例だ。

  私のキャラクターは「Jaajo Jantteri」という名だ。そして、私はコピーライトを有しており、Facebookのページ規約に完全に準拠している。

Jaajo Jantteri

  次に、新しいコメントをテストするTechCrunchなどのサイトを訪問する。そしてあなたが選んだ別名を選択する。

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  そしてコメントする。

Hello world

  今や我々は、荒らしやスパマーが、同じ事をしないよう期待する必要がある。

  だが、Facebookがこの戦場をウオールに囲まれた庭に持ち込みたいなら、そうさせれば良い。

では。
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