6月26日、LulzSecは唐突に活動開始50日目になったので解散すると宣言した。

  LulzSecはここ2ヶ月にわたりNPRやFOXなどの放送局からCIAやFBI関連InfraGuardやNATOなど国際的な政治・軍事機関やSony Picturesなど広範囲に侵入しては内部情報を流出させる騒ぎを引き起こしていた。
Lulzの事件時間軸グラフ
そのため、法執行機関の捜査の手も迫っていて、Lulz自身は関連を否定していたがイギリス在住の19歳Ryan Clearyが逮捕されている。
「LulzSec」の容疑者を拘留 http://blog.f-secure.jp/archives/50611764.html

  ただし興味深いのは、LulzSecに敵対心を燃やすいくつものハッカーグループの登場と、彼らの執拗なLulz正体暴露の追求活動がLulz解散宣言の直前に起きていたことだ。最初に敵対したのは、@Th3J35t3r (The Jester)というWikileaksサイトにDDoSを仕掛けたことで知られるアメリカ愛国者ハッカーだった。そしてWeb NinjasがLulz正体暴露宣言し、さらにオランダの@TeaMp0isoN (Team Poison)やアノニマスを嫌う@On3iroiも追求を始めた。

  そしてLulzSecが解散宣言した直後に、The A-Teamと呼ばれるグループがLulzメンバー多数の個人情報をPastebinに曝した(Doxedという)。
http://pastebin.com/iVujX4TR
 (@satomitw氏による訳) http://longtailworld.blogspot.com/2011/06/lulzseclulzsec-gn0sis-anonops-doxd.html
これによるとLulzのメンバーはエリート格のSabuと広報役Topiaryに、Gnosisという集まりに属するnigg, eekdacat, uncommon, kayla, lauralieなどが居たようだ。
またTh3J35t3rもSabuの個人情報を曝した。
http://pastebin.com/76TsPHeU
これらの暴露情報は、法執行機関の捜査を助けることになり、自動的にLulzへの包囲網は狭まる。

  しかしはたして、これでLulzSecの活動は終了したのだろうか? 話はそんなに単純ではないだろう。このPastebinリンクをポストしたThe A-Teamメンバーと思われる人物のtweetは1日で削除されているようで、彼らの間での抗争が続いているための自衛の可能性も考えられる。さらにLulzにより対抗してThe A-Teamの個人情報が曝された。
http://pastebin.com/1MUPY2P7

  そしてLulzは10日ほど前から「Operation Anti-Security (反セキュリティ作戦)」を宣言し、多数のハッカーが参加することを呼びかけ始めた。この #OpAntiSec では、Lulzは政府と銀行とセキュリティで儲ける企業をターゲットとして情報流出させろと煽っていた。これに呼応するようにブラジルやイギリスでネットワーク侵入・アカウント情報流出が起きた。その内、トニー・ブレア前イギリス首相のウェブメールサーバーが侵入され、メールアドレスや住所録情報か盗み出された事件では、TeaMp0isoNが関与を表明している。

  これで状況はさらに混沌としたものになった。ハッカーグループ間の敵も味方も入り乱れて、その上にLulzSecは#OpAntiSecのアイデアだけバラ撒いて解散宣言してしまったのだ。アイデアだけあり牽引役のいない状況ほど混乱を長引かせるものはないだろう。誰が何処を攻撃しても#OpAntiSecなのだから。