顔認識技術はホットな話題だが、私は最近、ドイツ当局がFacebookの「顔認識」機能は違法であると示唆したことを知った。「Deutsche Welle」によれば:

  ハンブルグのデータ保護局員Johannes Casparは、同ソフトウェアがドイツおよび欧州連合データ保護法の双方に違反しており、Facebookユーザは同サービスが集めたデータを削除する方法を知らないと主張する。「データが悪の手に渡れば、携帯電話で撮った写真を持つ者は、バイオメトリクスを利用して写真を比較し、身元を探すことができる。」と、Casparは「Hamburger Abendblatt」に語った。「匿名に対する権利は危機に瀕しているのです。」

  法的なキーワードは「バイオメトリクス」のようだ。

  Casparによれば:

  「通常のユーザはバイオメトリックデータを削除する方法を知りません。さらに我々はバイオメトリックデータが、本人の明らかな同意のもとに保存されるよう要求しています。」

  もう一つのキーワードは「保存される」のようだ。(「Deutsche Welle」の記事は、同意無しにいかなるデータも「収集」されるべきではないことも述べている…) 収集されたバイオメトリックデータか、保存されたバイオメトリックデータか、どちらだろう?

  使用された後でデータが保持されないか、保存されない場合、オンザフライの顔認識分析は合法だろうか?

  どの場合でも、ウォールにタグを付けた写真がある場合、私は自分自身のFacebookアカウントで、この機能をテストすることに決めた。(ユーザがオプトアウトしていなくても、タグを付けた写真があることが前提条件だ。タグを付けた写真が無ければ、バイオメトリックデータも存在しない。)

Sean Sullivan

  最初、私はFacebookのプライバシー設定で、「Suggest photos of me to friends(写っている写真のタグ付けを提案)」オプションを再度使用可能にした。

  そして写真をアップロードした:

Faces

  Facebookの写真アップロードサービスが、2つの顔を「検出」したが、どちらも「認識」されず、タグの提案は行われなかった。よって、Facebookのデータベースには、隠された私のバイオメトリック「フェイスプリント」は存在しないようだ。この機能が提供された時から私がオプトアウトするまでに何も収集されなかったか、私が同機能を停止した後、保存されていたデータをFacebookが削除したかのどちらかだろう。

  私は自問自答した。Facebookのバイオメトリックデータは、本当にそれほど大きな問題なのだろうか?

  Google Imagesは最近、リバース画像検索をリリースした。この機能は「悪の手に渡る」いかなるFacebookデータよりも、将来写真の比較で利用される可能性が高い。iPhone/Android端末を持っているなら、Google Gogglesを試し、Google+の可能性について想像して欲しい。

  次に、現行のカメラ技術について考える必要がある。私の「Canon S90」は、非常にうまく顔の検出を行う。顔が検出されると、その写真のEXIFメタデータに「SceneCaptureType - Portrait」が含められ、その顔はタグ付けされる。

Canon S90 Portait
Face Face

  そしてそれはほんの始まりにすぎない。Samsungなど一部のベンダは、このビデオで2009年4月から紹介してきたように、「Smart Face Recognition」を有している。遠からず、写真が撮られる瞬間に、我々のカメラが写真の中の顔を検出し、認識し、タグ付けするようになるだろう。そしてそれはカメラ付き携帯電話も含まれる:伝えられるところによれば、AppleはiOS 5に顔認識機能を搭載することを予定しているという。

  確かに、Caspar氏がFacebookの現行のバイオメトリック問題について懸念するのはもっともだが、もはや分析の問題ではなくなった場合(時)どうなるだろう? 消費者がフェイシャルタグを含む写真をアップロードすれば、Facebookは提案ができるのだろうか。

  Facebookは現在、アップロードされた画像からEXIFメタデータを削除していることは注目に値する。(素晴らしい。)

  ドイツ(およびEU)には、優れたデータ保護法がある。しかし法律そのものが顔の認識問題について永遠に対処することは不可能だ。テクノロジは存在し、政策立案者は問題に立ち向かい、バイオメトリックデータが既に自由に入手できるかのように、ソリューションを探す必要がある。

  たとえ合法的な企業が、このタイプのデータを保存することを規制されたとしても、犯罪者たちを抑止することはできない。コンピューティング・パワーは安価であり、より安価になっている。最悪のシナリオは、規制を受けていないブラックマーケットの、顔認識をサービスとして提供するサーチエンジンだろう。

  このようなビジネスモデルが生まれるのは初めてではない。

では
ショーン

  以下も参照して欲しい:

Kashmir HillIf Everyone’s A Celebrity In The Internet Age, Shouldn’t We Expect To Be Recognized By Face?
Alessandro AcquistiFaces Of Facebook-Or, How The Largest Real ID Database In The World Came To Be