私はインターネットが大好きです。

  インターネットが我々に何をもたらしたか考えて下さい。我々が使うあらゆるサービス、コネクティビティ、エンターテイメント、ビジネス、コマースを。

  そしてこれら全ての変化は、たった今、起きているのです。私たちが生きている現在、です。

  何百年かして歴史の本が書かれた時、我々の世代はオンラインを獲得した世代として記憶されるであろうことに、私はかなりの確信があります。我々は真にグローバルなものを創造した世代として記憶されることでしょう。

  しかしインターネットには問題もあります。セキュリティとプライバシーに関する、非常に深刻な問題です。こうした問題と戦うことに、キャリアをかけてきた私には分かっています。

  では、全ての問題はどこからやって来るのでしょう? 問題の唯一最大の源は、組織犯罪ギャングたちです。彼らは攻撃で儲けるため、マルウェアをばらまき、Webサイトをハッキングします。彼らの多くは数百万を得るのです。

  コンピュータを感染させることで金儲けをするには、いくつかの異なる方法があります。たとえば、オンラインバンキングを行う際に、ユーザの口座から金を盗むBanking Trojan。また別の手法にキーロガーがあります。キーロガーはユーザのコンピュータにひそんで、タイプされた内容を全て記録します。ですから、皆さんがオンラインストアで買い物をし、名前やクレジットカード情報を入力すると、それらは犯罪者によって盗まれてしまいます。

  オンライン犯罪が生み出す金額はかなりのもので、それはオンライン犯罪者たちが実際、攻撃に投資できることを意味しています。そして彼らはインターネットのグローバルな性質を、有利に利用してもいます。以前は我々にリーチできなかった犯罪者たちが、現在は私たちに手を伸ばすことができるのです。

  ほとんどの場合、犯罪者たちは決して捕まりません。大多数のオンライン犯罪事件では、我々は攻撃者がどの大陸からやって来たかさえ知ることはありません。たとえオンライン犯罪者を見つけることができても、大抵成果が得られません。地元警察は役割を果たさないか、果たしたとしても、十分な証拠が無いか、何らかの理由で我々は犯罪者たちを倒すことができません。もっと簡単なら良いのにと思いますが、残念なことにそうではありません。

  既に述べた通り、私はインターネットが本当に好きです。私たちがオンラインで手にしているあらゆるサービスについて考えてみて下さい。もしそれらが奪われたら、ある日それらが無くなったらどうなるでしょう。

  私はインターネットの未来は素晴らしいものだと思っていますが、そうでは無くなる可能性を懸念しています。

  オンライン犯罪のせいで、我々が問題にぶつかることを、私は懸念しています。オンライン犯罪は私たちから様々な物を奪うかもしれないものです。

  私はネットを守ることに人生を費やして来ましたし、もしオンライン犯罪と戦わなければ、われわれは何もかも失う危険をおかすことになると感じています。私たちはグローバルにオンライン犯罪と戦わなければなりませんし、今すぐにそうすべきなのです。

  私たちに必要なのは、オンライン犯罪団を見つけるための、よりグローバルな国際的法執行機関です。こうした組織化された犯罪者たちは、攻撃により何百万もの金を手にしているのですから。我々は世界中であらゆるアンチウイルスを、あらゆるファイアウォールを実行することができますが、それで違いが生じるわけではないでしょう。犯罪者を捕まえれば、状況は変わります。

  さらに重要なのは、オンラインの世界の犯罪に取り込まれようとしている人々を見つけ出すことですが、これはまだなされていません。我々はスキルは持っているものの、それを活かす機会のない人々を見つけ、彼らがそのスキルを良いことのために使える機会を提供すべきなのです。

ミッコ・ヒッポネン

TEDトークからの抄録。トランスクリプションはAmerican RhetoricのDiane Wiegandによる。