三菱重工を狙ったサイバー攻撃が明らかになったことを受けて、書籍「サイバー・クライム」の著者ジョセフ・メン氏からコメントが届きました。

『先日三菱重工を襲った一連のサイバー攻撃は、日本にとっては前例のない出来事だったかもしれないが、過去数年間にわたり、米国をはじめとする多くの国の防衛産業が直面した攻撃手法に酷似している。それらの攻撃を分析すると、多くは中国につながる。著書「サイバー・クライム」においても度々言及しているが、サイバー犯罪者と国家のスパイ活動の境界線はますますあやふやになっており、個人や企業はもちろん、国家間の政治的な均衡までが危険にさらされているといえよう。』

「サイバー・クライム」を日本で発売するにあたり、初めてメン氏と対談したのが2011年2月でした。アノニマス、ソニーが世間を騒がせ始めた頃です。彼は対談の中で、今後サイバー攻撃の標的にされうる企業として、国家の安全に関わる事業を担っている企業を複数挙げました。その中には三菱の名前も含まれていました。これは決して偶然ではなく、彼がジャーナリストとして行った膨大な調査から導き出された必然的な結果だと思います。

そしてついに、書籍「サイバー・クライム」が発売になりました。対談の様子も収められています。
表紙と目次です。
cybercrime

はじめに
本格的に日本を襲い始めたサイバー・クライム

PART1
1  ウォーゲーム
2  サイバー潜入捜査
3  裏社会の深部へ
4  決意
5  清算
6  サイバー・クライムの歴史 スパムから個人情報へ

PART2
7  すべてを賭して
8  デイ・オブ・アクション
9  闇のマーケット
10 裁判
11 犯罪を超えた犯罪
12 今、なにができるか

巻末特別対談
中国・ロシアのハッカーを警戒せよ
 ジョセフ・メン×福森大喜