1. 我々が知っているインターネットが終焉を迎える?
ITR(the International Telecommunications Regulations)条約の変更を仕上げるためのWCIT(the World Conference on International Telecommunications)が、ITU(the International Telecommunication Union)によって開催される。
出席者は世界各国の政府や企業の代表で、全員がインターネットの自由に関心があるわけではない。結局、米国はWCITで策定されたITR条約に署名しないことを発表する。他に数カ国が米国に続く。
−詳細−
Foreign Policy: Official: U.S. won't sign Internet treaty
Ars Technica: Why the ITU is the wrong place to set Internet standards
.Nxt: Internet humbles UN telecoms agency
GulfNews.com: Web under closer state watch
GulfNews.com(訳注:アラブ首長国連邦の英字新聞社)はこの問題について、西洋メディアとは異なる見解を持つようだ。
2. 情報流出により、さらに多くの政府出資の諜報ツールが暴露される
Stuxnet、Flame、Gaussなどなど。これらは氷山の一角なのだろうか?
サイバー兵器競争はかなり本格化している。国民国家の内密なサイバー軍事作戦について、我々はすべてを認識できているわけではないが、当該国家の政府がそのような行動にますます乗り出していくことは予期できる。2013年、これまで攻撃元として見なされていなかった国々から、これを確実に示す情報が流出する可能性はかなり高い。兵器競争が過熱するにつれて、情報流出の確率は上がるのだ。
3. モバイル端末のマルウェアのコモディティ化が進む
Android OSは、電話機からタブレット、テレビ、特化したバージョンのタブレットに広がっており、これまでのモバイル端末OSとは異なる方法で強固なものになっていく。ユビキタス化が進むにつれて、最上位にマルウェアを構築するのは容易になり、犯罪者にとってビジネスに取り込む機会が増えてくる。サイバー犯罪者が構築したツールキットを伴ったモバイル・マルウェアのコモディティ化が進み、ハッキングのスキルが実際にはない別の犯罪者が購入、使用することができる。言い換えると、Android用のMalware as a Serviceだ。
4. 新たなマルウェアの発生がMacを襲う
2011年はMac Defenderと呼ばれるスケアウェアが見られ、2012年はFlashbackがJavaの脆弱性を悪用した。F-Secure Labは、2013年は別のMacのマルウェアが発生し、Macコミュニティ内である程度の成功を収めると予測する。
Flashback Trojanの作者は相変わらず逃亡中で、他のことに取り組んでいると噂されている。またMac OSにセキュリティ上の高度な変更がなされてきた一方で、Macが直面している脅威に基本的に無関心なMacユーザのグループがあり、彼らは新たなマルウェアの発生に弱い。
5. スマートTVがハッカーの攻撃対象になる
スマートTVがインターネットに接続され、処理能力を得たが、一般にセキュリティを備えておらず、攻撃に対して無防備である。脆弱性に加え、数多くのスマートTVは家庭のコンピュータと異なり、望まないトラフィックを逸らすルータという緩衝なしにインターネットに直結している。さらに、消費者は多くの場合、Web管理のために設定された、工場出荷時のデフォルトのユーザ名とパスワードを変更しない。これではハッカーがアクセスするのは簡単だ。
インターネット上のスマートTVを走査するのは、ハッカーにとっては非常に容易だ。発見したら、デフォルトのユーザ名とパスワードを使うだけで、簡単に入れる。セットトップ・ボックスに伝染するLightAidraが、2012年にすでに目撃されている。2013年はスマートTVがクリック詐欺やBitcoinマイニング、DDoS攻撃に悪用されるのを目にする可能性がある。
−詳細−
CERT-FI: Onko digi-tv-laitteesi bottiverkon orjakone?
CERT-FI: Digitv-virittimistakin tavattu haittaohjelmia
Computerworld: Samsung TV vulnerability could let a hacker change the channel
6. モバイル・スパイ・ソフトウェアが主流に加わる
2013年は、ペアレンタル・コントロール目的以外にも、トラッキング・ソフトウェアの人気の高まりが見られるかもしれない。子供のFacebook上での言動など、子供の行動を監視する、子供の安全性のためのアプリケーションは、すでに成長してきている。この種のソフトウェアは子供のみならず、もちろん誰でも対象に見張るのに使用できる。スマートフォンの数が増加するにつれて、より多くの人がこのようなソフトウェアを探し求める。たとえば配偶者が何をたくらんでいるのかを見つける目的で。
7. コンテンツの優良顧客にタブレットが無料で提供される
タブレットや電子書籍が大流行しており、またiPadとiTunes、KindleとAmazonのように閉鎖的な生態系が非常によく見られる。Kindleの価格は下がり続けている。2013年、AmazonやBarnes & Noble(訳注:米国の大手書店)といったコンテンツに課金する企業は、優良顧客に無料の電子書籍やタブレットを提供するかもしれないと、F-Secure Labは予想している。閉鎖的な生態系はよりセキュアだが、プライバシー保護は提供元を信頼するしかない。
したがってセキュリティにとって良いことは、プライバシーにとってはすばらしいことではないかもしれない。
またAmazonは最近、子供向けのコンテンツとゲームが無制限の、定額プランを発表した。専用性や閉鎖性が高まるにつれて、デバイスはより入手しやすくなる。また、Windowsベースのコンピュータの使用を子供に制限することを選択する保護者は、ますます増える。これは、ペアレンタル・コントロール・ソフトウェアの必要性に影響するだろう。