我々がしばしば受ける質問がある。マルウェアの経済的損失についてだ。

 当社は最近、フィンランド警察およびフィンランドCERTとの合同調査にて支援を行った。そして、ある特定のケースにおいて、「ポリス」(を題材にした)ランサムウェアのギャングはたった1つの集団で8億ドルを超える損害・損失に関与していたと、我々は推測している。

 フィンランド語のプレスリリースから詳細を挙げる。

Press release

 主要なポイントを翻訳すると、次のようになる。「ポリス」ランサムウェアであるRevetonを用いるギャング集団1つで、世界で500万人超の犠牲者を生み、フィンランド国内で3万台を超えるコンピュータが影響を受けた。

 Revetonの現在の「科料」は300米ドルだ。

USA Reveton

 ヨーロッパでは現在のレートは100ユーロになる。

French Reveton

 100ユーロごとに、3万人のフィンランドの犠牲者がおり、それだけで300万ユーロの潜在的利益があることを意味する。北米と欧州一帯では、6億ユーロ、すなわち8億ドル以上のどこか近辺になる。

 現在はもちろん、だれもがRevetonのインチキに金を払っているわけではない(とはいえ、結構多数の人が支払っている)。したがって、潜在的利益が実際にそのまま得られるわけではない。しかし経済的損失はどうだろうか?犠牲者はコンピュータを修理・修復するために時間と費用をかけねばならない。

 処理中のデータを失った人がいるとして、それはいくら分に相当するのか?

 昨年、友人のハードディスクがクラッシュした。それは家族写真でいっぱいだった。修復費用は?6,000米ドル超だった!Revetonギャングの5百万人超の犠牲者のわずか1%の人が、同様の写真のコレクションを失ったとしたら、損失データは3億米ドルに上る。

 データ損失については考慮せずとも、修復に使われる時間は、簡単にインチキへの支払いと同程度に達する。

 結論:ランサムウェアは非常に高くつく。

ransomware.fi

 サイバーセキュリティ意識向上月間の一環として、我々がransomware.fiにてこの問題を浮き彫りにしているのは、これが理由だ。

 あなたはランサムウェアに詳しいだろうか?今から10月の終わりまで、当社のアンティ・ティッカネンPaolo Palumboに、Revetonなどのランサムウェアの脅威について、F-Secure CommunityのRansomware Q&Aを通じて質問をすることができる。

 次のリンクは簡単に共有できる。bit.ly/RansomQA