Bitcoin $1000

 Bitcoinや、他のLitecoinPeercoinといったデジタル通貨は、我々が換金する方法を変えるだろう。しかし、大きな欠陥を伴う。その欠陥とは、感染したコンピュータを紙幣「印刷」機へと変えるためにも使われうる点だ。

 Bitcoinの背後のアルゴリズムの美しいところは、暗号通貨に必要な、2つの主な課題を解決していることだ。トランザクションを確認し、インフレーションを起こすことなく金銭を生み出す、双方をともに組み合わせている。トランザクションの確認は、P2Pネットワーク上の他の参加者によって行われ、その対価としてBitcoinを得る。全体のプロセスは、マイニング(採掘)として知られている。

 黎明期のBitcoinではマイニングは容易だった。ホームコンピュータでマイニングし、Bitcoinを稼ぐことができただろう。しかし、通貨価値が増大(2013年の間に$8から$1000へ)するにつれて、人々がさらにマイニングするようになった。それに応じて、マイニングは(数学的に)より困難になり、強力なコンピュータが求められるようになった。不幸なことに、こういったコンピュータが自分の所有物である必要はない。オンライン犯罪者たちが運営している最大級のボットネットのいくつかは、今ではマイニングで収益を得ている。感染したホームコンピュータならなんでも、サーバ犯罪者のためにBitcoinをマイニングできるのだ。

 ボットネットを使ってマイニングを行うのは大きなビジネスだ。世界第2の規模のボットネットであるZeroAccessは、感染したマシンで暗号通貨をマイニングすることで、1日に何万ドルかを生み出した。感染したマシンがハイエンドのGPUチップが乗ったビデオカードを搭載しているときは、これは著しく効率的になる。

 こういったマイニング・ボットネットは、人間のユーザを要しない。処理能力とネットワーク接続があればいいのだ。物にまみれたインターネットは、車といった機械やゴミ箱に埋め込まれたコンピュータなど、さらに何百万台以上のWebに接続されたコンピュータをもたらすだろう。お金をマイニングするためには、そういったもののすべてが、Windows PCのようなスペックを持つ必要があるわけではない。たとえばLitecoinは、ハイエンドGPUよりむしろ通常のCPUで実行できるような、よりメモリに徹底したアルゴリズムを使う。

 神話上のインターネットに接続された冷蔵庫がついに発見した存在理由―犯罪者であることを認めざるを得ない。

ミッコ・ヒッポネン
Wired UK 12/2013」に初掲載