マルウェアのゲームオーバー・ゼウスが蔓延っています。ボットネットによる損害は甚大なものになる可能性があります。感染リスクもなくなったわけではありません。イギリスを拠点とするSkyNewsは、今後2週間以内の差し迫った攻撃について報じました。

フロリダに本拠を構える銀行は、約700万ドルの損失を被りました。ピッツバーグの保険会社はビジネスファイルを暗号化され、推定で7万ドルの損害を被りました。レストランの経営者は、レシピやフランチャイズの情報など、1万以上ものファイルを暗号化されました。これまでボットネットは、ランサムウェアによって3000万ドルを盗み取っています。

US CERTは、ゲームオーバー・ゼウスについて注意を喚起してきました。アメリカは各国と協力し、ゲームオーバー・ゼウスのボットネットとランサムウェアであるCryptolockerへの対策を主導していますが、決して警戒を解かず、自身でセキュリティ管理をするよう呼びかけています。エフセキュアはこの件に関して支援を行ってきた企業の1つです。

ゲームオーバー・ゼウス(GOZ)を使用すると、Cryptolockerなど他のマルウェアをダウンロードしたりインストールしたりすることができます。また、銀行の認証情報を盗み出すことができるので、ターゲットとなっている個人や企業が不法に預金を引き出されてしまうため、ついには財産を失うおそれがあります。(出典:FBI CYD 1603.0514.4.2 EXT)

GOZは現在FBIが制御しており、収集される感染したコンピュータのIPアドレスについては、インターネットサービスプロバイダと共有していくことになります。サービスプロバイダは顧客にウイルスを除去するツールを指示します。またそうしなければなりません。

では皆さんがすべきことは何でしょうか。

・アンチウイルス・ソフトウェアの使用と管理:  アンチウイルス・ソフトウェアはほとんどの既知のウイルスを認識し、これらからコンピュータを保護します。アンチウイルス・ソフトウェアを最新の状態に維持することが重要です。
・パスワードの変更:  元々のパスワードは感染の際に盗まれている可能性があるため、変更する必要があります。
・オペレーティング・システムとアプリケーション・ソフトウェアを最新の状態に維持:  攻撃者が既知の問題や脆弱性を利用できないようにするため、ソフトウェア・パッチをインストールしましょう。エフセキュア ソフトウェア アップデータは自動化されたツールで、企業ネットワーク内にあるソフトウェアの状態を常時監視するのに役立ちます。
・マルウェア対策ツールの使用:  マルウェアを特定し除去する正規のプログラムを使用すれば、感染防止に役立ちます。エフセキュア オンライン スキャナは無料のオンラインツールで、PCに問題を引き起こす可能性のあるウイルスやスパイウェアを除去します。エフセキュア オンライン スキャナは、別のセキュリティソフトがインストールされていても機能します。

従来のウイルス対策は十分ではありません。例えば、2013年4月に報告されたGOZクライムウェアへの感染のうち、80%が以前には見られなかった新種のものでした。これらの事例では、ディープガードがそのファイルの悪意のある挙動を認識し、攻撃を阻止することにより、感染を防ぎました。