この宇宙は「ブラックエネルギー」に満ちている。そしてサイバースペースも同様だ。我々がVirusTotal経由で発見したBlackEnergyファミリーについて書いたのは、それほど以前のことではない。伝えられているところでは、このファミリーは、2008年のグルジアへのサイバー攻撃で用いられたものと同一である。先週の金曜日、新手のバリアントがVirusTotalに投稿された。そして今回は、どのように配布されたかについて、より明確になった。それは、実行ファイルを含むzipファイルだった。今月すでにあったケースと同様、このサンプルはまたもやウクライナから投稿された

Zip file screenshot

 zipファイルの名前はキリル文字でつづられており、「パスワードリスト」という意味だ。実行ファイルのほうは、意味は同じだがラテン文字でつづられている。実行ファイルの拡張子が.docであることを注記しておく。犠牲者がこのサンプルをどのように起動し得るのかは、明確になっていない。我々の推測では、狙っているターゲットが使っているあるzipアプリケーションがあり、それが拡張子に関わらず本当のファイルの種類に基づいてサンプルを開く機能をサポートしている、とみている。もちろん攻撃者が単に間違いを犯した可能性もある。

 VirusTotal上の実行ファイルのサンプルを確認すると、わずか数分早くベルギーから投稿された。ウクライナの現在の状況や、ベルギーがEU政府の中心であること(およびNATO本部が置かれていること)を鑑みると、これらが関連しているという見解を無視することはできない。

 我々はこのサンプルは、特定のパスワードを避けるように警告するIT系の勧告を装ったスピアフィッシングメールの添付ファイルとして送付された可能性があると考えている。

 以前のバリアントと異なり、当該サンプルはもはやsvchost.exeに、ユーザモードのDLLを挿入するカーネルモードコンポーネントを使用してはいない。今回は、単純にユーザモードのドロッパーを用いて、rundll32.exe経由でDLLを読み込む。カーネルモードコンポーネントの排除は、最近のWindowsシステムで見られる、署名付きドライバを実施する保護を潜り抜けようとするためかもしれない。

 ユーザモードDLLは変更をサポートするために書き換えられてもいる(タイムスタンプは2014年6月26日)。今では設定フォーマットは異なるが、いまだ同じIPアドレス・ブロックに所属するC&Cサーバを用いている。

New BlackEnergy configuration

 またドロッパーは悪意のある行為を隠ぺいするために、囮ドキュメントまで開く。

Decoy document

 ソフトウェアの脆弱性やエクスプロイトとは一切関係がないことに注意が必要だ。囮ドキュメントはドロッパーによって、プログラムで生成・起動される。これはかつて目にした、つまりOS Xにおけるおそらく最初のドキュメントを用いたAPT攻撃の試みに似ている。しかしながらこのマルウェアはDEPからホストプロセス(rundll32.exe)を適用しなかった。これは将来侵害するために、攻撃側面を切り開いたのかもしれない。

Routine that disables DEP via registry

 結論:欧州とウクライナの外交に関与しているのならBlackEnergyにご注意を。