私たちの多くは、好むと好まざるとにかかわらず、あるいは無視をしていても、Facebookと何らかの関係を持っています。夢中になっている人や新たなチャンスを見つけた人もいれば、Facebookのせいで面倒なことに巻き込まれている人も多くいるでしょう。何の心配もなく全くオープンにしている人がいる一方で、プライバシーに関して深刻な懸念を抱いている人もいます。しかし、Facebookが私たちの生活を変えたこと、少なくともコミュニケーションの方法に影響を与えたことについては、おそらく誰もが認めるところでしょう。
 
Facebookは、ソーシャルメディアがビジネスにおいてもプライベートにおいても重要なツールであることを示しました。Facebookは、しかるべきタイミングにしかるべき場所に現れ、ソーシャルメディアの事実上のスタンダードになったのです。しかし、Facebookの成功は、逆にソーシャルメディアを危険なものにもしています。文明化社会において、世界中の一人ひとりのすべてを知った場合に得られる力を想像してみてください。その上、そのデータを利用してできることに関する立法措置が、極めて緩やかだとしたらどうでしょうか。確かにすべてというのは大げさな話ではありますが、現実からかけ離れたことではありません。
 
Facebookに挑戦しようとした企業は他にもありますが、これまでに成功した例はありません。理由の1つは、ソーシャルメディアは必然的に独占的なものであるということです。最も重要な選択基準は友人がどのサービスを利用しているかということであり、それによって誰もが同じ共通のサービスを利用するということになるのです。莫大な財源とGmailなどのサービスにより整ったユーザ基盤を持つGoogleでさえ、Google+で失敗しているという事実が、Facebookの地位がいかに強固であるかを浮き彫りにしています。

Elloは、最も新しい挑戦者であり、確かに興味深いアプローチをとっています。Elloは、Facebookの最大の弱点を突いた、ユーザインテグリティを尊重するサービスの提供を試みているのです。ElloにはGoogleのような財源はないかもしれませんが、この分野で信用を得ることは可能です。プライバシーを重視する人にとって、FacebookとGoogleのどちらを選択すべきか判断するのは難しいですが、Elloは違います。マニフェストがすべてを物語っています。
 
Elloは競争を生き残り、ゴリアテを殺したダビデになれるでしょうか。Elloはまだサービスを開始してから日が浅く、この先長い道のりが待っています。しかし、Elloの成功は、皆さん次第であるということも忘れてはなりません。あなたはElloの製品ではないかもしれませんが、その機能、それも重要な機能となることは間違いありません。Elloのチームは、私たちの社会的な交流に枠組みを提供してくれるにすぎません。しかし、どのソーシャルネットワークサービスにとっても重要なのは、サービスを利用する人たちです。ですから、Elloが成功するか否かは、私たちの手中にあるも同然です。このサービスを活気あるものにするには十分な開拓者が必要です。開発チームは、サービスを失敗に終わらせてしまう可能性もありますが、彼らは成功の可能性を生み出すことができます。Elloは皆さんにその可能性を具現化してもらう必要があるのです。
 
Elloについての私の率直な意見を申し上げましょう。このサービスが、プライバシー保護とインテグリティを基本としているという事実は、好ましいことです。私たちはこのようなソーシャルメディアサービスを必要としているのです。しかし、未解決の問題も多く残されており、Elloの今後には暗雲が立ち込めていることも事実です。人々は、その使いやすさに不満を持っています。使いやすさというのは様々な意味で大変つかみにくいものです。また、技術に精通していないユーザ向けのツールとして世に出すには、Elloは時期尚早であることも明らかです。2014年10月現在、私ならベータ版ソフトウェアに慣れている人だけを招待するでしょう。しかし、使いやすさと技術的品質はともに改善可能です。そのためにはチームがさらに努力する必要があります。
 
しかしこれ以上に大きな疑問は、Elloの将来のビジネスモデルが一体どのようなものか、ということです。Facebook上ではあなたは製品であり、「無料の」サービスの代価として支払っているものです。しかし、Elloはプライバシー保護と運営資金をどのようにして両立させていくのでしょうか。これは、大きな課題の1つです。もう1つの課題は、プライバシーが本当に十分に保証されるのかということです。多くの人がプライバシーに注意深くなってはいますが、それでも大半の人々はいまだに無頓着です。Elloには、プライバシー保護の認識の大幅な向上と、Facebookがまだ提供しておらず、かつすぐに真似できない、何か独創的なものが必要です。
 
小さなベンチャー企業がFacebookに挑むなんてことは、無駄だと思われるかもしれません。しかし、Facebookも創立当初は小規模であったということを覚えておいてください。Facebookは、私たちがソーシャルメディアを必要としていることを示してくれました。おそらくElloは、私たちがインテグリティを備えたソーシャルメディアを必要としていることを示すことができるでしょう。いずれにせよ、Elloの将来は、皆さんが登録するか否かにかかっているのです。
 
安全なネットサーフィンを
@Micke-fi on Ello

画像はello.coからキャプチャー

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