エフセキュアは、英国市民の大量監視に対する関心の高まりを浮き彫りにした調査報告書の日本語翻訳版を公開しました。エフセキュアの英国オフィスが作成した「Nothing to Hide, Nothing to Fear?(隠すものがなければ、恐れることは何もない?)」と題されたこの報告書は、外国人だけでなく自国民を対象に英国政府が実施している監視への懸念に焦点を当てています。

本報告書作成のために委託された調査*では、英国人の86%が大量監視に同意していないことがわかっています。昨年のスノーデン事件により、電子メール、通話、ウェブ検索、ソーシャルメディアのやりとりや地理情報を含め、西洋諸国の諜報機関が一般市民をどれだけ監視しているかが明らかになりました。英国には590万台の監視カメラ(11人につき1台に相当。秘密警察監視下の東ドイツでも市民65人あたり密告者は1人)が設置されているという事実も判明しています。

エフセキュア英国・アイルランド法人のマネージング・ディレクター、アレン・スコットは次のように述べています。「私たちは今、規制のない領域にいます。知らないうちにここまで来てしまったようです。少しずつプライバシー権が侵食されており、多くの人々は自分がどれほど監視されているかということに気付いていません。これは、犯罪容疑者やテロリストの疑いがある者をターゲットにした監視ではありません。人々の生活を全体として監視しているのです。」

こうした大量のデータが将来どのように使用されるかが不透明な中、英国人は懸念を表明しています。調査の結果、回答者の78%が、自らのデータが追跡されることによる影響に懸念を抱いていることが明らかになりました。更に多くのプライバシーを侵害する計画がイギリス政府機関全体に広がっており、この懸念は高まるばかりです。

レポート「隠すものがなければ、恐れることは何もない?」の日本語版はこちらでご覧いただけます。


*エフセキュアの代理としてVital Research & Statisticsが実施した調査。成人回答者2,000人。2014年10月10〜13日に実施