「ザ・インタビュー・ハッキング事件」のニュースが報道されて以来、専門家の中にはこの「企業が公に被害に遭った過去最悪のハッキング事件」に、金正恩政権が直接関与していないのではないかと考えている人もいます。

ハッカー集団は、屈辱を与えるEメールを送った後、「9月11日を忘れるな」という不吉な言葉とともに「ザ・インタビュー」の公開に対する脅迫メッセージをPastebinに投稿しました。それ以前に、エフセキュアのセキュリティ・アドバイザーを務めるショーン・サリバンはある仮説を立て、「この攻撃は脅しと恐喝の陰謀だ」と語っていました。

世界的なメディア企業ほど、恐喝のような公に屈辱を与える行為に対して脆弱な企業はありません。しかし、ほぼすべての企業は秘密情報の漏洩から巨額の財政的被害を受けるリスクに晒されています。これは、皆さんや皆さんが所属する企業にとって何を意味するのでしょうか。

皆さんにとっては当たり前のことかもしれませんが、単純なポイントを5つご紹介します。

1.  企業のネットワークが侵害される場合、その発端はおそらく従業員がEメールの添付ファイルをクリックすることである
ベライゾンは、「データ漏洩/侵害調査報告書」の最新版で次のように記しています。「ツールの種類が多様である一方、ターゲットの環境にアクセスする基本的な方法についてはそうではないということが注目すべき点です。」

「最も多いのは、実績もあり効果が確実なスピアフィッシングです。これについては、当社だけでなく他社においても、これまで何度も取り上げられていますが、何らかの理由でご存じない人のために説明します。巧妙に作られた個人宛または業務関連のEメールが、標的とされたユーザに送られ、添付ファイルを開くように、またはメッセージ内に貼られているリンクをクリックするように促します。当然のことながらユーザが罠にかかると、その時点でシステム上にマルウェアがインストールされ、バックドアまたはコマンドチャネルが開き、攻撃者は目的に向かって一連の行動を開始します。」

オンライン上で経営陣の情報が豊富に入手できるため、特定のユーザを標的にしてウイルスに感染したファイルをEメールに添付するのが、今もなおネットワークに侵入する最も確かな方法です。私たちの多くは長い間Eメールを使用しているので、怪しい気配のするファイルが添付されているメールは危険であることを知っています。しかし、そのEメールが巧妙に作成されておりかつ個人的な内容であれば、私たちはやはり騙されてしまうかもしれません。

セキュリティについていくら教育しても、ヒューマンエラーがなくなることはないでしょう。「配信−インストール−悪用の連鎖」を断ち切るために企業のIT部門が残業してまで取り組んでいるのはそのためです。

基本的な警告は今でも変わりません。つまり、知らない添付ファイルは決して開けてはいけないということです。

2. 「パスワード」という名前のフォルダにパスワードを保存しない
当たり前と思われるかもしれません。しかし、まさにこれが行われていたようなのです。ベライゾンによれば、ハッカーがまず目をつけるのが認証情報です。ハッキングのうち62%は、ネットワークがハッキングされてから数カ月間発見されないため、侵入者には情報を探るのに十分な時間があることになります。決して軽んじてはいけないのです。

3. セキュリティホールを塞ぐ

すべてのシステム、アプリケーション、セキュリティソフトウェアに常にパッチを適用して保護してください。特にブラウザには気を配るようにしましょう。Javaプラグインは使用しないようにしてください

あるいは、エフセキュアのソフトウェアアップデータのような保護機能を導入して、シームレスにパッチを適用するようにしてください。

4. Eメール中のリンクは、添付ファイルと同様に危険である可能性がある
長年にわたる教育は結果として一定の効果を得ています。ユーザは、Eメール中のリンク先よりも添付ファイルの方に注意を向けていますが、こうしたリンク先は不意を突くウェブ攻撃やフィッシング詐欺につながる恐れがあるため、これらにもより警戒する必要があります。

Eメールの添付ファイルを開いてしまうユーザが約8%であるのに対し、「フィッシングメール中のリンクをクリックするユーザは約18%となっています。勝手にインストールされるマルウェアについてよく知らないユーザは、リンク先を訪問することによって危険にさらされることになるとは考えていないかもしれません。」

5. Eメールは永久に残るということをお忘れなく

「ダンスは誰も見ていないかのように踊り、Eメールは、いつか声に出して読まれるかもしれないと考えて送りましょう。」

— 2014年12月13日、Olivia Nuzzi (@Olivianuzzi)

では

Sandra

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