正しい質問をすることがいかに大切か。当社のセキュリティ・アドバイザーであるショーン・サリバンは、質問の仕方は、あなたの主張を後押しすることも損なうこともできる、大変重要なものだと考えています。

政府による監視企業によるインターネット上のトラッキングの問題について議論する際、おそらくほとんどの人が、「隠すことなど何もない」と問題を片づけてしまう人に出会ったことがあるでしょう。

実際これは非常によくある意見です。エフセキュアの最近の調査では、「あなたには何か隠すべきことがありますか?」という質問に対し、英国の回答者の83%が「ない」と回答しました。

ショーンは、当社の最新の脅威レポートで次のように述べています。「これは、『あなたは不誠実な人間ですか』と質問しているようなものです。感情的な質問であり、回答者は当然自衛的な反応をします。83%もの人が『ない』と回答したのはごく自然なことだと私には思えます」。

ショーンはこの議論を組み立てなおすための別の質問を示しました。「あなたは自分の生活に関する全てを、誰とでも、どこでも、いつでも、そして永遠に共有したいですか?」というものです。

ご自身のグーグル検索履歴について考えてみてください。冗談抜きに、履歴を見てみてください。履歴を見る(そして削除する)方法はこちらです。

「そして、私の予想が正しいと証明されました。89%の回答者が、自分を見せびらかしたくはない、と回答したのです」とショーンは述べています。

ショーンの指摘によれば、どちらの質問も、核となっているのは「プライバシーは重要だと思いますか?」という問いです。それを、一方は非難めいた問い方、もう一方は説明的な問い方で質問しています。

ショーンは、全ての人は過去に忘れたい事柄があり、正しく質問されることで、瞬時にそれを思い出すのだと言います。

スノーデン氏による暴露が始まって以来、米国政府が大幅に政策を変更していることを考えると、プライバシーに関して悲観的になるのも当然です。しかしそれも、大規模サーベイランスを合法化しはじめた法律が超党的な取り組みにより改正されることで、近いうちに変わるかもしれません。

NSAによる大量の情報収集を規制しようとするこの試みは不完全なものですが、これまでのやり方、つまり、脅威なき世界を実現するという達成不可能な目標に向けて努力するよりもデジタルフリーダムの抑制に注力してきたやり方を大きく変えるうえで、ほんのスタートに過ぎないとしても、希望的なスタートであるといえます。

我々が正しい問いかけを始めているということかもしれません。

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