エドワード・スノーデン氏による暴露が始まる前、オンラインプライバシーに関する議論のほとんどは、Facebookを中心としたものでした。
規制当局やユーザは、世界最大のソーシャルネットワークであるFacebookがユーザの個人データをどの程度尊重しているか疑わしいとしてたびたび不満を表明していました。しかし、Facebookの登録者数がその後も増加を続け、政府による驚くほど大規模な監視の実態が明らかになるにつれて、私たちが自分の意志で共有している情報について不満を述べることは、比較的優先度の低い事項となりました。
その間にFacebookは、Twitterがまだ実現できずに苦慮していることを成し遂げました。
成長を続けるとともに収益を上げる方法を見出したのです。同社はこれを「マーケティング史上最大の『おとり手法』」によって達成した、とニューヨーク大学でマーケティングを教えるスコット・ギャロウェイ教授は述べています。その結果、世界有数のブランドを抱える企業の多くが、大規模なコミュニティを構築した上で、突如としてコミュニティへのアクセスを遮断する、という手法を有効と考えるようになりました。現在、平均的なブランドの投稿は、プロモーションのための料金を支払わない限り、ページをフォローしているユーザのわずか6%にしか自然な形でリーチしていません。
Facebookはこの方法をとることで、ユーザエクスペリエンスを向上させました。平均的なユーザが数百のブランドをフォローしていれば、そのユーザのフィードはすぐにも宣伝目的の投稿であふれんばかりになってしまいます。同時にこの方法は、サイトとユーザがより密接に関わることにもつながり、ユーザが広告主にとってよりいっそう望ましい、かつ錯覚を起こさせる商品となる結果ももたらしています。そうです、無料で何かを得ようとすれば、自分自身が商品になるということです。そしてユーザを売るために、Facebookはできる限り多くの情報、ユーザがサイト上で自分の意志で共有するよりも多くの情報を得ることが必要になります。
ですから、当然ながら、Facebookはウェブ上でのユーザの行動を追跡します。Facebookを利用していない人までも追跡の対象となり得ます。そして追跡される情報の種類も多岐にわたり、作成されるユーザのプロフィールがユーザのクレジットスコアにまで影響を及ぼすおそれもあります。Facebookのリターゲティング広告がどの程度まで進んでいるかは、自分のニュースフィードで2番目に表示される投稿を見てみるとわかります。その投稿は多くの場合、自分が最近アクセスしたサイトまたはそのサイトの競合他社からの広告です。
この手法が功を奏しているため、Facebook傘下となり今後さらにマーケターにとって使いやすい広告を展開していくと発表したInstagramでも、ほぼ同じ手法が使用されるようになるものと思っていいでしょう。
我々はこの状況に甘んじる、なぜならプライバシーよりも関連性の方が我々にとって重要だからだ、とギャロウェイ教授は述べています。私たちは、自分の友人や家族について、他からは得られないような関連性の高い最新情報が欲しいと考え、世の中の人々が話題にしていることを知りたいと考え、好きなアーティストや企業からよい商品をお得に手に入れたいと考えます。そのために、自分のデータを引き換えにするのです。それは必要なコストであり、そのことを認める代わりに、私たちは自分の子どもほども大切なものを引き渡す要件が含まれている可能性さえある利用規約に「同意する」ボタンをクリックしてしまうのです。
しかし、自分の領域を守り、自分のアクティビティが不利に利用されないようにするために、ユーザにできることがいくつかあります。
1. Facebookで広告が表示されないよう設定する
Facebookは、自ら進んでユーザをサイトから離れさせるようなことはしません。広告表示を希望しない場合はユーザの方でそのように設定します。その広告が他の多くのユーザのために役立つことにもつながるでしょう。エフセキュアラボの何人かがこの方法を試し、サードパーティからの広告がはるかに少なくなったとの報告が寄せられています。試してみてください。
Facebookでページの右側に表示される広告の右上にある「X」をクリックすると、次のような選択肢が表示されます。

「Why am I seeing this?(このメッセージが表示される理由)」をクリックします。
すると次のような画面が表示されます。

「Manage Your Ad Preferences(広告設定の変更)」を選択します。
カテゴリをクリックし、各トピックの右端に表示される「X」ボタンを選択してトピックを削除していきます。
その後、次に広告が表示されたときには、右上の「X」をクリックして「I don’t want to see this(非表示にする)」を選択します。
2. ターゲティング広告をオプトアウトする
Facebookの広告をすべてオフにすることはできませんが、ターゲティング広告が表示されないようにすることはできます。
「If you don’t want Facebook or other participating companies to collect or use information based on your activity on websites, devices, or apps off Facebook for the purpose of showing you ads, you can opt out…(Facebookやその他の提携企業が広告を表示する目的で、あなたがFacebook外のウェブサイト、デバイス、アプリで行ったアクティビティに基づく情報を収集したり、利用したりすることを望まない場合…)」、ただしこの設定を変更するには別のサイトに移動する必要があります。
米国:Digital Advertising Alliance
カナダ:Digital Advertising Alliance of Canada
欧州:European Digital Advertising Alliance
モバイルブラウザでも同じ作業が必要です。
3. Facebookでモバイルアプリデータが追跡されないようにする
iPhone
1. 「Settings(設定)」に移動します。
2. 「Privacy(プライバシー)」に移動します。
3. 「Advertising(広告)」に移動します(もちろん一番下にあります)。
4. 「Limit Ad Tracking(追跡型広告を制限)」をオンにします。
Android
1. 「Settings(設定)」に移動します。
2. 「Accounts(アカウント)」に移動します。
3. 「Google」を選択します。
4. 「Ads(広告)」を選択します。
5. 「Opt out of interest-based ads(インタレストベース広告をオプトアウト)」をタップします。
ここで残念なお知らせがあります。
「ただし、これらの後者のオプションを選択しても、Facebookが完全にユーザの携帯端末でのアクティビティの追跡をやめるわけではない。どういうことだろうか」と、ウォール・ストリート・ジャーナルのジェフリー・A・ファウラー氏は述べています。「Facebookは、広告がユーザに特定のゲームをプレーさせるなどの効果をどの程度発揮しているかを判断するため、その後もビジネスパートナーのアプリからデータを取得できる、と述べている」
おまけ:
Facebookの広告に自分の名前や写真が載らないようにする
そうです、Facebookでは、ユーザがオプトアウトしない限り、自分の名前や画像がそのユーザの友達に表示される広告に使用されることがあるのです。
その方法は以下のとおりです。
1.右上の錠前のアイコンをクリックします。
2.「More Settings(その他の設定)」をクリックします。
3. 左側のメニューにある「Ads(広告)」をクリックします。
4. 「Ads and Friends(広告と友達)」の欄にある「Edit(編集)」をクリックします。
5. 「Pair my social actions with ads for(自分に関するソーシャルコンテンツの公開範囲)」を「No one(非公開)」に設定します。
規制当局やユーザは、世界最大のソーシャルネットワークであるFacebookがユーザの個人データをどの程度尊重しているか疑わしいとしてたびたび不満を表明していました。しかし、Facebookの登録者数がその後も増加を続け、政府による驚くほど大規模な監視の実態が明らかになるにつれて、私たちが自分の意志で共有している情報について不満を述べることは、比較的優先度の低い事項となりました。
その間にFacebookは、Twitterがまだ実現できずに苦慮していることを成し遂げました。
成長を続けるとともに収益を上げる方法を見出したのです。同社はこれを「マーケティング史上最大の『おとり手法』」によって達成した、とニューヨーク大学でマーケティングを教えるスコット・ギャロウェイ教授は述べています。その結果、世界有数のブランドを抱える企業の多くが、大規模なコミュニティを構築した上で、突如としてコミュニティへのアクセスを遮断する、という手法を有効と考えるようになりました。現在、平均的なブランドの投稿は、プロモーションのための料金を支払わない限り、ページをフォローしているユーザのわずか6%にしか自然な形でリーチしていません。
Facebookはこの方法をとることで、ユーザエクスペリエンスを向上させました。平均的なユーザが数百のブランドをフォローしていれば、そのユーザのフィードはすぐにも宣伝目的の投稿であふれんばかりになってしまいます。同時にこの方法は、サイトとユーザがより密接に関わることにもつながり、ユーザが広告主にとってよりいっそう望ましい、かつ錯覚を起こさせる商品となる結果ももたらしています。そうです、無料で何かを得ようとすれば、自分自身が商品になるということです。そしてユーザを売るために、Facebookはできる限り多くの情報、ユーザがサイト上で自分の意志で共有するよりも多くの情報を得ることが必要になります。
ですから、当然ながら、Facebookはウェブ上でのユーザの行動を追跡します。Facebookを利用していない人までも追跡の対象となり得ます。そして追跡される情報の種類も多岐にわたり、作成されるユーザのプロフィールがユーザのクレジットスコアにまで影響を及ぼすおそれもあります。Facebookのリターゲティング広告がどの程度まで進んでいるかは、自分のニュースフィードで2番目に表示される投稿を見てみるとわかります。その投稿は多くの場合、自分が最近アクセスしたサイトまたはそのサイトの競合他社からの広告です。
この手法が功を奏しているため、Facebook傘下となり今後さらにマーケターにとって使いやすい広告を展開していくと発表したInstagramでも、ほぼ同じ手法が使用されるようになるものと思っていいでしょう。
我々はこの状況に甘んじる、なぜならプライバシーよりも関連性の方が我々にとって重要だからだ、とギャロウェイ教授は述べています。私たちは、自分の友人や家族について、他からは得られないような関連性の高い最新情報が欲しいと考え、世の中の人々が話題にしていることを知りたいと考え、好きなアーティストや企業からよい商品をお得に手に入れたいと考えます。そのために、自分のデータを引き換えにするのです。それは必要なコストであり、そのことを認める代わりに、私たちは自分の子どもほども大切なものを引き渡す要件が含まれている可能性さえある利用規約に「同意する」ボタンをクリックしてしまうのです。
しかし、自分の領域を守り、自分のアクティビティが不利に利用されないようにするために、ユーザにできることがいくつかあります。
1. Facebookで広告が表示されないよう設定する
Facebookは、自ら進んでユーザをサイトから離れさせるようなことはしません。広告表示を希望しない場合はユーザの方でそのように設定します。その広告が他の多くのユーザのために役立つことにもつながるでしょう。エフセキュアラボの何人かがこの方法を試し、サードパーティからの広告がはるかに少なくなったとの報告が寄せられています。試してみてください。
Facebookでページの右側に表示される広告の右上にある「X」をクリックすると、次のような選択肢が表示されます。
「Why am I seeing this?(このメッセージが表示される理由)」をクリックします。
すると次のような画面が表示されます。
「Manage Your Ad Preferences(広告設定の変更)」を選択します。
カテゴリをクリックし、各トピックの右端に表示される「X」ボタンを選択してトピックを削除していきます。
その後、次に広告が表示されたときには、右上の「X」をクリックして「I don’t want to see this(非表示にする)」を選択します。
2. ターゲティング広告をオプトアウトする
Facebookの広告をすべてオフにすることはできませんが、ターゲティング広告が表示されないようにすることはできます。
「If you don’t want Facebook or other participating companies to collect or use information based on your activity on websites, devices, or apps off Facebook for the purpose of showing you ads, you can opt out…(Facebookやその他の提携企業が広告を表示する目的で、あなたがFacebook外のウェブサイト、デバイス、アプリで行ったアクティビティに基づく情報を収集したり、利用したりすることを望まない場合…)」、ただしこの設定を変更するには別のサイトに移動する必要があります。
米国:Digital Advertising Alliance
カナダ:Digital Advertising Alliance of Canada
欧州:European Digital Advertising Alliance
モバイルブラウザでも同じ作業が必要です。
3. Facebookでモバイルアプリデータが追跡されないようにする
iPhone
1. 「Settings(設定)」に移動します。
2. 「Privacy(プライバシー)」に移動します。
3. 「Advertising(広告)」に移動します(もちろん一番下にあります)。
4. 「Limit Ad Tracking(追跡型広告を制限)」をオンにします。
Android
1. 「Settings(設定)」に移動します。
2. 「Accounts(アカウント)」に移動します。
3. 「Google」を選択します。
4. 「Ads(広告)」を選択します。
5. 「Opt out of interest-based ads(インタレストベース広告をオプトアウト)」をタップします。
ここで残念なお知らせがあります。
「ただし、これらの後者のオプションを選択しても、Facebookが完全にユーザの携帯端末でのアクティビティの追跡をやめるわけではない。どういうことだろうか」と、ウォール・ストリート・ジャーナルのジェフリー・A・ファウラー氏は述べています。「Facebookは、広告がユーザに特定のゲームをプレーさせるなどの効果をどの程度発揮しているかを判断するため、その後もビジネスパートナーのアプリからデータを取得できる、と述べている」
おまけ:
Facebookの広告に自分の名前や写真が載らないようにする
そうです、Facebookでは、ユーザがオプトアウトしない限り、自分の名前や画像がそのユーザの友達に表示される広告に使用されることがあるのです。
その方法は以下のとおりです。
1.右上の錠前のアイコンをクリックします。
2.「More Settings(その他の設定)」をクリックします。
3. 左側のメニューにある「Ads(広告)」をクリックします。
4. 「Ads and Friends(広告と友達)」の欄にある「Edit(編集)」をクリックします。
5. 「Pair my social actions with ads for(自分に関するソーシャルコンテンツの公開範囲)」を「No one(非公開)」に設定します。
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