広告が、大企業の大きな原動力になっているケースがあります。Googleは57,000人以上の社員を抱え、その収益は660億ドルを超えています。Facebookの収益は120億ドル、社員は10,000人です。この二つの巨大企業は、広告収入を財源としてネット上でサービスを提供する最も有名な企業と言えるでしょう。そして、最近の広告はターゲティング広告となっており、企業側はユーザーが見たいと思っているものを知っていなければなりません。ということはつまり、皆さんのことを知っているということです。

では、Facebookを詳しく見ていきましょう。Facebookの広告設定に関する記事は以前に書きました。そして私はしばらくの間、自分のデータを追跡してみました。ターゲティング広告に使われるデータの一部は、年齢、性別、生まれた場所、見た映画など、ユーザー自身が入力したものです。しかしFacebookは、ユーザーがどのようなものを好きなのかを特定するため、Facebookやその他のサイト上の行動も分析しています。Facebook内でのトラッキングがどのように機能しているかは明らかです。Facebookのサーバーは、ユーザーがどのようなリンクをクリックしているかを単純に記録しているのです。他のサイトにおけるトラッキングに関しては、ちょっと嫌な感じですよね。これについては、以前の記事で書いています。

アクティビティの記録はFacebookによって分析され、ユーザーは「Your Ad Preferences(あなたの広告設定)」と呼ばれる興味のカテゴリに割り当てられます。広告主はターゲットとするカテゴリを選ぶことができます。そして、そうしたカテゴリに基づいて、広告が表示されることとなります。このリストは閲覧、管理が可能ですが、このページはFacebookのメニューの奥深くにうまく隠されています。

あなたの広告設定は後で見ることにして、まずはこのことに関して意見を述べさせてください。広告というのはうっとうしいこともありますが、最近では多くの「無料」サービスを提供するための原動力となっています。ですから、Facebookが広告収入で運営を行っていることを責める気はありません。ターゲティング広告を行っていることも、責める気はありません。これは、理論的には良いことでもあります。自分にとって有益かもしれない、より関連性の高い広告が表示されるからです。しかし、ターゲティング広告というのは、データ収集に基づいて行われるものです。これが油断のできないところです。このような幅広い個人プロファイルの取り扱いにおいて、Facebookなどの企業を信用できますか?その他の目的に悪用されないと信じることができるでしょうか?

これについてFacebookはある程度オープンであり、私たちに「Your Ad Preferences」を閲覧させてくれるのは良いことです(注:すべての国で利用できるわけではありません)。しかし、この呼び方は本当に誤解を招きます。これは「Facebook’s Ad Preferences for You(Facebookがあなたのために行った広告設定)」とすべきでしょう。もちろん、ユーザー自身でカテゴリを確認して削除することもできますが、これで自分の管理下に置いたと勘違いしてはいけません。Facebookはあなたの行動の分析を続け、削除したカテゴリもすぐに再登録します。私は数か月前にすべて削除したのですが、再び210以上の興味のカテゴリが表示されています!Facebook以外でのトラッキングはブロックしてあるわけですから、これは本当に驚きです。つまり、Facebook以外のアクティビティはあまり関係ないということですね。私は原則として、Facebookを含むオンラインメディア上の広告は一切クリックしないことにしています。商用ページの「いいね!」も、非常に制限的にしか行っていません。

しかし本当はFacebookも、人が広告を嫌っていることを分かっています。「Suggested posts(おすすめの投稿)」や「Sponsored posts(スポンサーによる投稿)」は、実は姿を変えた広告であり、これらに反応してしまうと、その投稿が属するカテゴリにユーザーが興味を持っていると記録されてしまうのです。正直に言うと、私も普段こうしたコンテンツをクリックしています。

ページ上部のスクリーンショットの「自殺」の項目はどこから来たのでしょうか?いえ、私は大丈夫です。橋から飛び降りたりしません。精神衛生面も心配はありません。自殺に関連するFacebookのコンテンツは、何も触っていません。ただ、それを確実に知ることはできません。FacebookはAd Preferencesの設定をユーザー自身が管理できるようにすることで、オープンかつ正直なイメージを示そうとしていますが、そのようなバラ色のイメージが、すべてではありません。実際Facebookの広告の内部構造は、非常に複雑な秘密のシステムなのです。Facebook上で何らかの行動をした際、それが自分のプロファイルにどう影響するかは知りようがないのです。私にはまったく見当もつきませんが、私がクリックした何かが、おそらく自殺と関連があったのでしょう。

ここでFacebookの性格診断を受けてみましょう。Facebookはあなたがどのような人間であると考えているでしょうか。手順は下記のとおりです。
  1. Facebookにアクセスし、広告、あるいは「sponsored post」、あるいは「suggested post」を確認します。
  2. これらの項目には、右上にX印あるいは下矢印があるはずです。クリックしてみてください。
  3. ポップアップメニューの「Why am I seeing this?(このメッセージが表示される理由)」を選択します。
  4. この画面にはいくつか興味深い情報が含まれていますが、「Manage your ad preferences(広告設定の変更)」に進んでください。
  5. リストを確認し、ここに戻ってきて皆さんの意見を聞かせてください。
  6. 不適切なカテゴリを削除します。すべて削除すると、表示される広告の数が減るかもしれません。
では、このテストの正確さについて、皆さんがどう思っているのかを見てみましょう。
 
下の選択肢のうち、FacebookでのあなたのAd Preferencesを最もよく表しているのはどれですか?
  • すごい、ピッタリ! まさに自分に当てはまる。
  • ほとんどは合っているけど、完璧ではない。カテゴリの半数近くは削除する必要がある。
  • かなりひどい。カテゴリの半分以上が間違っている。
  • うわ、これはひどい! 誰かが自分のアカウントを使っていたに違いない。

 

FacebookのAd Preferencesを性格診断に使ってみるのもおもしろいですが、結局あまり精度の高いものではありません。他に本物のテストを探したほうが良いでしょう。問題は、どのテストを受けるかは自分で選べますが、あなたに関するデータを他人がどのように収集するかは選べないということです。誰かがこのテストを頼りに、あなたの評価を行っているかもしれません。実際のところ、あなたは基本的に誰とでもこのデータを共有する権利をFacebookに与えてしまっているのです。登録前に読み、承認した同意書のこの一節を覚えていませんか?

「Facebookの事業をグローバル規模で支援するベンダー、サービスプロバイダ、その他のパートナーには情報を移転します。そのようなパートナーには、技術インフラを提供する企業、Facebookサービスの利用状況を分析する企業、広告やサービスの効果を測定する企業、カスタマーサービスを提供する企業、支払いを円滑にする企業、学術的研究や調査を実施する企業が含まれます。」
 この部分、登録前に読みましたよね?

安全なネットサーフィンを
Micke

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