9月1日は、インターネットセキュリティの歴史に残る日となるかもしれません。アンチウイルス業界で最初に登場したブログである、エフセキュアのラボのブログが、新たなサイトへ移ったことを発表した日だから、というだけではありません。

GoogleのChromeが、広告主にHTML5でクリエイティブを作成するよう促すため、Flashによる広告がすぐに読み込まれないように、ブロックを始めた日でもあるからです。

Amazonは9月1日からFlash広告を全面的に禁止しており、Googleも同様の措置を取ることとなりました。

このことを8月にAmazonが発表した際、「これは、Amazonとしては非常にすばらしい動きであり、他の企業も遅かれ早かれ同様の措置を講じることを願っている。Flashベースの広告は、現在は非常によくあるセキュリティ上のリスクで、存在しない方が、みんながより幸せになる」とエフセキュアのセキュリティアドバイザーである、ショーン・サリバンは書いていました

先月、Adobeはセキュリティ、および安定性の問題に対処するため、Flashに対して2015年に入ってから12回目のアップデートを実施しました。リッチメディア広告のうち、およそ90%がFlashを介して配信されています。

世界最大のオンライン小売業者であるAmazonから、これまで使っていた広告形式を禁止されるということは、Flashから離れるべきという重要な合図と言えます。しかし、Chromeがデベロッパーに対し、積極的にFlashの使用をやめるよう促すことの影響は、計り知れないでしょう。

StatCounterによると、デスクトップブラウザを介してインターネットにアクセスする人のうちの51.74%、つまり、ほぼ2人に1人がChromeを使用してインターネットにアクセスしています。Chromeは世界で最も広く用いられている、ウェブインターフェースということになります。



 
Facebookのチーフセキュリティオフィサーも先日、Flashの終了を要求しました。すでにYoutubeは、1月にデフォルト設定でのFlashの使用を停止しました

「より新しい技術が登場し、広く使われるようになってきています。ですから、より新しく、安全な技術の導入を迅速に行うことに対し、労力をかける価値はあるでしょう」と、エフセキュアのシニア研究員である、ティモ・ヒルヴォネンは 『エフセキュア ビジネスインサイダー ブログ(F-Secure Business Insider blog)』で述べています。

では、なぜFlashはなくならないのでしょうか? 圧倒的な導入率と、それを利用する広告主が原因です。

Media KitchenのマネージングパートナーであるJosh Engroff氏は、『Digiday』に次のように語っています。「あらゆる代理店の制作部門に所属するすべての人が、AdobeのCreative Suiteを使って育ってきました。ですから代理店は、これを専門とする多くの人材を抱えているのです。Flashから移行するとなれば、新たな訓練や調整が必要になります。」

Flashには、取って代わるだろうと思われる形式のものに勝る利点が、いくつかあります。

『Business Insider』のローラ・オライリー氏は次のように書いています。「HTML5の広告はより美しく、安全とされていますが、Flashよりもファイルがはるかに大きくなる可能性があります。」

市場では、安定性が不安定さを引き起こすこともあります。私たちがFlashに慣れ親しみ、頼ってきたことで、私たちのデータの安全性が、不必要に損なわれることになりました。

Flashの独占状態が急速に消え失せていけば、その時こそ節目となるのでしょうか? 希望を持つことはできます。

ティモは、「これで本当にFlashが終わりになることを願う」と述べました。

それでは

Sandra

>>原文へのリンク