自由な民主主義国のリーダーたち、あるいは、少なくともその国の裁判所は、ようやく目を覚まし、より多くのプライバシーを諦めるようにと市民に対して要求することを撤回し始めたのでは、と感じる時があります。そして、今度はオーストラリアで進展がありました。
BBCによると、火曜に施行された新たな法律のもと、オーストラリアの電気通信事業者は、大量の通信メタデータを2年間保存することが義務付けられるということです。
この新たな法律の目的は、政府がこうしたデータにより迅速にアクセスできるようにすることです。スノーデン暴露事件で明らかになったように、米国家安全保障局はこうした監視をさらに一歩進め、データそのものを“大量収集”していました。USA Freedom Act(米国自由法)でも、オーストラリアで施行された法律と非常に似たシステムを要求しています。
少なくとも、オーストラリアはこうした大量データ収集に関して透明性を確保しており、メタデータは手紙の外側のようなものであって、実際の中身ではないという古典的な主張を行っています。確かにそうです。しかし、メタデータを利用してあなたの生活に関する、多くの情報を収集することができるのも確かです。
この出来事の最大の皮肉は、現オーストラリア首相であるマルコム・ターンブル氏が今年初め、通信相だった時に今回の法律を後押ししていたということです。国内テロを阻止するために必要だとターンブル氏は述べています。
しかしターンブル氏は暗号化の価値も理解しており、3月に、プライバシーは大切なので、連絡を取る際には暗号化を行うアプリを使用していることを認めています。
例え、メタデータの提出を自由に要求できるような、国家権力を思いのままにするような制度がなかったとしても、自分の個人データを保護することは重要です。皆さんの国の法律がどうであれ、データを暗号化するVPNを使用することは、オンラインセキュリティやプライバシーという点で良い習慣だと言えるでしょう。エフセキュアのアプリFreedomeを利用すれば、トラッカーを阻止し、地理的な制限をなくすことができます。
しかし、ターンブル首相を見習って、誰かが自分のプライバシーを守ってくれるなどと考えないようにしましょう。すべてを暗号化してください。