アドビ社は、Flash Playerのまた異なる脆弱性CVE-2016-1019に対する緊急アップデートを公開した。これは20.0.0.306以前のバージョンのFlash Playerに影響を及ぼすものだ。まず4月5日にアドビはセキュリティアドバイザリを公開し、Flashバージョン21.0.0.182に含まれる脆弱性のさらなる悪用を回避する緩和策を強調した。そして緊急アップデートが公開されたのは4月7日だった。
ご存じのとおり、エクスプロイトキットの作者は、パッチがまだ利用できないときにこそ脆弱性につけ込む。最初にアドバイザリが公開された時点で、我々は当社のテレメトリでMagnitude EK(Exploit Kit)のヒット数が増大したのに気付いた。
Magnitude EKはCVE-2016-1019の欠陥に対応するエクスプロイトを盛り込むように更新されたが、当社ではすでに既存のFlashエクスプロイトの検知でブロックしている。
1か月前、ユーザをMagnitude EKへと押しやるマルバタイジング・キャンペーンについて記事を投稿した。今回の最新のキャンペーンでも同様の広告プラットフォームが使用されていることだけでなく、ユーザをランディングページへと導く新たなリダイレクタやゲートといった注目に値する追加部分も観察している。当社ではこうしたリダイレクタやゲートもMagnitude EKの検知の一部に含めている。
さらに、一部はアダルトサイトや無料動画サイトからヒットしていることも観察している。
Magnitude EKは現在、暗号化ランサムウェアCerber(SHA1:1f6f5c03d89a80a725cdff5568fc7b98bd2481b8)を配信している。
このキャンペーンの影響をもっとも受けている国は、フランス、ベルギー、ドイツ、フィンランド、オランダである。
当社のユーザは以下の検知により、CerberというランサムウェアやMagnitude EK(リダイレクタや使用する最新のFlashのエクスプロイトを含む)から保護されている。
- Exploit:JS/MagnitudeEK.G
- Exploit:SWF/Salama.H
- Trojan:W32/CryptoRansom.A!DeepGuard
当社のユーザには、最新版のFlash Playerにアップデートすることをお勧めする。