「http://twitter.com/IPv4Countdown」に、現在、2011年2月末までに全てのIPv4アドレスが割り当てられると予測しているトラッカーがいる。100,000,000アドレスマークが日曜日に破綻した。

  予測:今から2、3年後には、我々はこのようなキャンペーンを、現在我々が、1999年当時の2000年問題のパニックを冷笑しているように、あざ笑うことになるだろう。今回はポピュラーなメディアでの人騒がせな報道ははるかに少ないが。

  なぜなら、率直に言えば、これはハルマゲドンではないからだ。「割り当て済み」は「使用済み」と同義ではない。我々が見ているのは、IPv4スペースの未配分で利用可能な最後の部分を見張ろうとするゴールドラッシュなのだ。あるいはむしろ、単なる土地の争奪かもしれない。なぜならば、その丘に大量のゴールドはありそうもないので。しかし確かに、IANAの未配分アドレス空間の残りを購入しているオペレーターたちは、販売するか、リースするかして大金を手に入れるか、少なくとも利益をあげることを期待している。需要と供給の法則が有効ならば、そしてIPv6が突然劇的に軌道に乗らなければ、IPv4アドレスの価格が上昇することが予期される。そして一部の関係者は間違いなく、一山当てようと賭に出るだろう。

See also http://xkcd.com/195/  さらに面白い疑問は、どれだけのIPv4スペースが、単に割り当てられているというのではなく、実際に使い尽くされているのか、ということだが、これは算出するのがより難しい。簡単に数値を獲得できるIANAのような中心的な機関が存在しないからだ。IPv4開発の初期に関係していた「恐竜」たちの中には、そのうち需要が増えた時のために確保した、おそらくはほとんど未使用のアドレス空間を大量に持っているところもあるだろう。未配分スペースの枯渇をトラッキングすることは、ゼネラルエレクトリック(3/8、すなわち「3.0.0.0 」から「3.255.255.255」までの全て。ざっと1600万のIPv4アドレスだ)、IBM(9/8)、Xerox(13/8)、ヒューレット・パッカード(15/7。連続する2つのクラスA。3200万アドレス)、Apple(17/8)、MIT(18/8)およびフォード・モーター(19/8)といった組織に割り当てられた巨大なクラスAネットブロックに、いつ何か起こり始めるかを推測するには良い手助けとなる。米国国防総省も、大規模なブロックを有しており、おそらくこうした贅沢を手放すのを非常に嫌がるだろうが、彼らのアドレスの一部を民間や、商用利用にさえ移譲させる多大な圧力が登場することは想像に難くない。しかしそれよりもずっと前に、フォードはAT&TやLevel 3 Networksのような連中と直接競合するような方法では無いにしても、自分達のIPv4資産を現金化する方法を発見することだろう。

  関連する疑問に、将来、あなたがどのような条件のもとでIPアドレスを獲得できるか、というものがある。価格は1つのファクターに過ぎない。そして最近のWikiLeaks事件が示すように、真の表現の自由を提供するIPアドレスを得ることは、言うと不評をこうむるような何かを言いたい人達には、さらに重要かもしれない。そして、こうした不足気味の商品を、自国民以外の全ての人に対して提供している唯一の存在が、全体主義国家だというのは皮肉なことだ。WikiLeaksはサーバを、ワイルドウェストならぬワイルドイーストに移転するのを避けようとしているようだ。そのような自由は高くつくが、倫理的に評価されるだけでなく、セキュリティの問題もあるためだ。少なくとも、国際社会が無法国家と呼ぶような地域、および避けがたいその気まぐれさに依存するのは、長期のソリューションとして現実的とは言い難い。

  とにかく、うろたえてはいけないが、状況をモニターし続ける必要があるだろう。我々はIPv4アドレス空間の減少が問題ではないと言おうとしているわけではない。私たちは確かに、それがIPv6を意味するのか、IPv4の改良を意味しているのかに関わらず、持続可能な発展に対して賛同している。しかし我々は、これが単に慢性的な問題の新たな局面であって、IPv4の深刻な危機ではないということを指摘したいのだ。